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京都物語 440

「なんか、ドラマチックよね」
 帰りの車の中で、結花はハンドルを握りながらしみじみとつぶやいた。風がすべての雲を吹き飛ばしたのか、フロントガラス越しの月は輪郭をくっきりとさせている。
「人生って、どこでどうなるのか、予測がつかない。何度も言うけど、今が、ほんと、夢みたい」
 夜の海辺の田舎道の光景がゆっくりと後ろに流れている。
「えてして、予想外の方向に進むのが人生なのかなって感じることがよくあるね」と僕は窓の外を眺めがら、実感を込めてそう言った。
「私の場合、タっくんと出会ってから、人生の流れが変わったような気がする」
 結花は物思いに述懐した。そういえば、彼女は、勤務先の病院の医師との婚約を反故にしてまでも僕を選んだ。今思えば、とんでもない決断だ。気が引けてしまう。
「何ていうのかな、昼ドラみたいなの。自分がその中の登場人物になったような感じがするの。私とタっくんはものすごく惹かれ合って、ラブラブな生活を送ってたのに、あなたは突然私の元を去って、愛する人を探しに行った。その間私はひたすら待つ。頑張ってあなたのことを忘れようとしたり、他の人のことを好きになろうと努力したけど、どうしてもできない。むしろ、ますます苦しくなるばかり。そんな時、突然あなたは帰ってくる。でもあなたは、心が疲れてて、今すぐよりを戻すことはできない。それでも私は待つの。あなたが私のことを本当に愛してくれる日を信じて・・・」
 結花のリアルな脚本に、僕は決して笑うことができない。
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京都物語 439

「別にいいんだよ」
 僕は平然を装いつつも、言葉とは裏腹に、さらに強く結花の奥へと入った。
「それって、フェイスブックで知り合った、同級生?」
 僕の質問に、結花はすぐに首を横に振り、「その人とは、してない」と否定した。
「じゃあ、だれ?」と僕は立て続けに聞いた。聞かずにはいられなかった。
「だれって言われても、タっくんの知らない人よ」と結花は声を震わせた。
「どうしても知りたいんだ」
 そう言って僕は、彼女の乳房を後ろからもみ上げた。結花は小刻みにあえぎながら、首を少しだけこっちに傾け、「友達に紹介してもらった人」と答えた。
「付き合ったの?」
「付き合おうとした。一生懸命好きになろうとした。でも、なれなかった」
 彼女は泣いているようでもあった。
「それでも、抱かれちゃったんだね?」と僕が念を押すと、結花は力なく首を縦に振った。
「何度も?」と僕は聞いた。自分でもしつこいことは分かったが、どうしても追及せずにはいられない。すると結花は「何度か」と答えた。
 結花がその男に抱かれる場面を想像すると、嫉妬で全身が燃え上がりそうだった。射精は一気に押し寄せてきた。射精の後もなお、想像が頭から離れなかった。
 それから僕たちは下着もはかないまま、砂の上で肩を寄せた。結花は子供のようにキスを求め、「好きよ」とささやいてきた。
 とにかく嘘をつけないのが結花なのだ。

京都物語 438

 ペニスはどんどん奥へと入ってゆく。僕の意思を超えているかのようだ。結花は、最初こそ口に手を押し当てて声を殺していたが、そのうち大きな声を上げはじめた。
「そんな声を出すと、周りに聞こえちゃうよ」と僕は脚の付け根を彼女の性器に何度も押しつけながらそう言った。結花はその時だけ唇を閉じようとするが、やはりすぐに大声を出してしまう。僕の脚はべっとりと濡れている。
 僕は結花の髪を撫でながら彼女を海の方に向かせ、中腰になり、改めて後ろから入り直した。すると、初めて2人でディズニーランドへ行った時、ライトアップされたシンデレラ城をホテルの窓から見下ろしながら抱き合った光景が思い出された。今はあの時とは違って、目の前には平和な海が広がり、高いところには黄色い月が出ている。
「今宵は十五夜なりけり」
 紫式部が、琵琶湖畔の石山寺で『源氏物語』執筆の祈願をした際に名月を見上げたという話が、どういうわけか思い起こされた。結花は海に向かって恥ずかしがるふうもなく声を上げる。僕は彼女の両方の乳房を後ろから撫で回す。結花の身体は、大人びてきているようにも感じられる。月の夜には、本能を駆り立てる何かがあるのかもしれない。「本能」ということを考えた途端、結花を独り占めしたいという強い思いがたちまち僕を支配する。
「僕が京都に行ってた間に、他の人に抱かれたの?」と僕は彼女の中に入ったまま尋ねた。結花は身体を揺らしながら何かを言おうとしているようだった。言葉を急かすように腰を大きく動かすと、彼女はあえぎ声の合間に「ごめんね」と漏らした。僕の頭の中で何かが張り裂ける音がした。

京都物語 437

 それからいったん唇を離し、揃ってベンチを立った。結花は僕の手を引っ張りながら、さらなる暗がりの方へと進んだ。雑草を踏み分け、護岸のための大きな石垣をいくつかまたぎ降りた所に小さな砂浜があった。静かにさざ波が打ち寄せている。僕たちは今降りた石垣の影に身を隠すようにして、砂の上に腰をおろした。
 そこは完全なる暗闇だった。そのせいで、波の音と磯の匂いが近くに感じられる。僕たちは暗闇の中でしっかりと抱き合った。結花はまず僕の唇を舐めてきた。僕も彼女の熱意に呑み込まれるかのように、舐め返した。すべてがなつかしく、そうしてすべてが夢のようだった。もう2度と抱くことのないはずの結花の身体が、この胸の中にあるのだ。
 結花はキスをしながら、手のひらで僕のペニスを包んだ。それから、何のためらいもなく、フェラチオを始めた。心がこもっていて、思わず背筋がのけぞるほどだった。明子のよりも力強く、レイナのよりも重厚なフェラチオだった。
 僕は結花の乳房に手をあてがった。あたたかく、やわらかい乳房だ。そのまま薄手のセーターをめくり上げ、ブラジャーを外し、露わになった結花の胸に頬をすり寄せた。あぁ、僕はこの乳房を毎日のように愛しては、心を満たしていたのだ。そんな回顧に浸りながら、結花の乳首を唇に挟んだ。それは瞬く間に小さく固くなった。結花はかすれた声を出した。
 僕たちは波の音と磯の香りの中で、まるで労り合うかのように、時間をかけて互いの身体を舐め合った。決して止めることのできない強い力に導かれるのを僕は感じた。
 心ゆくまで慰め合った後で、結花のスカートを一気にまくり上げ、タイツとパンティを下ろし、彼女の中に入った。すべてが驚くほどにすんなりといった。
 

京都物語 436

 おぼろげな月が風の中に揺れている。しばらくむせび泣いていた結花が、ふと口を開いた。
「私が聞きたかったのはね、タっくんが、私のこと好きがどうかってことだけなの」
「分かった」と僕は言った。さっきよりも言葉が出やすくなっている。
「好きだよ」
 すると結花は声を大きくして泣き、僕の腕にすり寄ってきた。
「だったら、もう一度付き合おうよ」
 結花は僕の腕の中でそう言った。僕の心がぐらつかないわけはなかった。だが、僕は、結花に対して申し訳なさを引きずりながら生活してゆくことがどうしてもできないと思った。だいいち、このまますんなりとよりを戻すことは、ずるいと思えた。自分を許せないのに彼女と一緒にいることなどできない。「せめて、心の整理をつけるための時間がもう少しほしい」と、僕は言った。
 だが結花は、「無理」と返した。
「私、ずっとずっと、待ってたの。これ以上待つなんてできないよ。私のことほんとに好きなら、私に対して悪い気持ちがあるのなら、今すぐ付き合ってほしい。それができないってことは、私のこと好きじゃないってこと」
 結花は顔を近づけてそう言った。僕は彼女の訴えに気圧された。
「私、こんなこと言うようなキャラじゃなかったんだよ。なのにタっくんのことを待っているうちに、変わっちゃったの」
 心の中には、なぜか明子とレイナが現れた。急に誰かが恋しくなった。自分はつくづくずるい人間だとうんざりした。あまりにうんざりしすぎて、何も考えられなくなった。
 気がつけば僕たちはキスをしていた。なつかしい結花の唇だった。
作者

スリーアローズ

Author:スリーアローズ
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