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キラキラ 296

 奈月の訴えを聞き、僕は動きを緩めざるをえなかった。すると奈月は、「やめないでください」と別の訴えをしてきた。
「いってしまいそうなんだ」と僕は、とにかく今の状況を伝えた。
「だから離さないで。そのまま、いってください」と奈月は声を震わせた。
「何を言ってるんだ?」と僕は聞いた。知らないうちに汗が噴き出し、奈月の背中の上に滴り落ちている。彼女は首を少しだけ僕の方に向けて、「いいんです、中でいってほしいんです。そのために私はここへ来たんですから」と答えた。
「子供ができてしまう」と僕は、思いのままを返した。だが奈月は、意外な答えを口にした。
「大丈夫です。子供はできませんから」
 下半身の力を完全に抜くと、「お願いだから、やめないでください」と奈月はまた懇願してきた。そうして、再度「大丈夫ですから」と念を押した。
「私たちの間には、子供は産まれません。私たちの関係は、そんなものじゃないです」
「言うことがよくわからない」
「そういうふうに決まってるんです。私たちは、今だけの関係なんです。でも、だからこそ、私は、絶対に忘れたくないんです。永遠に忘れたくないんです。だから、私の中でいってください。私も一緒にいきますから」
 奈月はそんなことを言ってきた。
 快楽に満たされている僕ではあるが、いろいろと細かいことを考えてしまったがゆえに、さっきよりも冷静になっている。この期に及んで、改めて、これまでの奈月との関係が崩壊してしまうのを怖れた。だが、現在、彼女の中に入っていることを実感した途端、すべてが手遅れだという事実がずっしりとのしかかってきた。 
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Author:スリーアローズ
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