スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

キラキラ 316

 ホントウニタイセツナコトッテ、コトバデハセツメイデキナイ・・・
 奈月のその言葉は、僕の心にまっすぐに入ってきた。
「野宮で先輩が質問してきた時、私も、きっちりと答えなきゃって思ってはいたんです。だって、その質問は、私にとってすごく大事なことだったから。でも、最短距離で説明することがなかなか難しくて、というよりは、最短距離で説明しようとすると、きっとうまく伝わらないだろうって自分でも分かったから、ああいう、回りくどい言い方になってしまったんです」
「なるほどね」と僕は言った。「思いがあふれたわけだ」
「分かってもらえましたか?」
 質問の答えのようなものとして僕の頭の中にあるのは、じつは言葉ではなく、抜け殻のようになった奈月のイメージと、彼女のぬくもりだけだ。奈月の身体はやるせないほどに濡れていた。そうして僕は、奈月と1つになったことによって、天国を味わった。僕の精液は、まだ奈月の体内にある。
「思いがあふれたというよりは、言葉があふれたわけだな」と僕は言い直した。奈月はそれについて少し考えた後で、「そうかもしれませんね」と応えた。
「いくら言葉を尽くしても、完全には理解できっこないんです。数学の証明問題みたいに、きれいに納得できないです、人の心って」と奈月は付け足した。
「でも、漠然となら共感することはできる」と僕は言った。
 すると奈月は僕の膝元辺りに視線を落として、「あれほどたくさん話したんですから、少しは分かってもらえたのかもしれません。でも、それも断片的なことだと思いますよ」と返した。
それから彼女は、自分の膝に視線を移して、こう言った。
「つまりは、それほど先輩のことを好きだったということなんです」
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

作者

スリーアローズ

Author:スリーアローズ
*** 
旅に出ましょう
それも
とびっきり寂しい旅に・・・

最新の文章
リンク
みなさまの声
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
目次
月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。