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キラキラ 348

 物思いに悩む魂は、このように身体を離れて宙をさまよい、あなたのもとへと独りでに行ってしまうものなんですね・・・
 苦悩のあまり、物の怪となって源氏のもとへとさまよった、六条御息所の言葉だ。さっき八条口で奈月の幻を抱きながらこの言葉が聞こえたのは、いったい、何だったのだろう?
 だが、そのことを考えたところで、確固たる答えなど出てこない。事実は目に見えない。すべては心の中で起こることなのだ!
 ふと今の言葉について考える。不思議なことに自分自身を納得させるほどの力を持っているように思われる。すべては心の中で起こる・・・
 心の中にはしわくちゃになったしおりがある。あれを頼りに辿った場所や、あの中に記された言葉たちが、僕に迫ってくるようだ。
 なんだか怖くなったので、ゆっくりと目を開けた。そこには、新幹線の車内の見慣れた光景がある。これこそが現実の社会なのだ。
 だが、すべては心の中で起こる・・・
 軽微なめまいが襲ってくる。疲れすぎているのかもしれない。
 再び目を閉じると、今度は、『源氏物語』の場面が想像された。そこには僕と奈月が含まれている。台詞が与えられているわけではない。だが、僕たちは、たしかに物語の中を生きている。時には手を携え、愛し合い、離反する。そんなことを繰り返しながら、物語のうねりの中に溶け込んでいる。
 新幹線は着実に速度を上げている。この先の長いトンネルを抜けると、たしか滋賀県に入る。もうすぐ京都ともおさらばだ。
 今頃奈月はどこにいるだろうと思う。博多に到着しただろうか。彼女はどんな表情を浮かべているだろう。そうして、何を考えているだろう?
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Author:スリーアローズ
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