スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Tokyo

 昨日、田舎で活躍するラーメン屋の店主の話を書きましたが、私は、じつは、東京も大好きなのです。
 20代の頃は、この日本の首都に批判的なところがありました。たとえば、新宿南口に「タイムズスクエア」という名前のビルができたり、エンパイアステートビルそっくりの建物が現れたりと、どう考えてもアメリカナイズされているような気がして、悔しささえ感じていました。
 それが、20代も後半になって、少しずつ見方が変わってきました。たとえば私は、作家とゆかりのある場所を巡っていた時期があります。太宰治や三島由紀夫が自害した場所に行ったこともあるし、鎌倉に入って、自転車で夏目漱石や中原中也、源実朝などにゆかりのある地を訪ねたこともあります。鎌倉巡りが終わったら、横須賀線で東京に帰って、神保町あたりのショットバーで酒を飲む。そういう時間の使い方は、地方では決してできないことでした。
 そういえば、いつだったか、友達と2人で築地の場外市場に行って、昼食に海鮮丼を食べている時、狭いカウンターの隣の席に50代とおぼしき男女が腰を下ろしてきました。男性の方は、たしか白いポロシャツを着て、髪にサングラスを引っかけていました。店の大将から「社長」と呼ばれるあたり、どこかの社長さんなのでしょう。隣の女性は「ママ」と呼ばれていました。
 私と友達は、1,000円程度の「三陸丼」を食べていたのですが、その「社長」の前には、注文もしていないのに、次々と料理やお酒が運ばれてくるのです。いったいどうしたことだろうと横目で様子をうかがっていると、「社長」は突然私の方を向いて「おい、お兄ちゃん、これを食ってみな。うまいぞ」と言って、フグの白子とアンコウの肝を差し出しました。びっくりしましたが、「社長」の笑顔に圧されて、遠慮なくいただきました。海辺で育った私にとっては、どちらも珍しい食べ物ではなかったのですが、さすがに「おいしいです」と応えました。
 すると「社長」は「だろ、うまいよな」と威勢よく言い、新潟の地酒を注いでくれました。隣でママさんが「ちょっと、あんた、やめときなよ。お兄ちゃん、困ってんじゃないか」と諫めていました。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

作者

スリーアローズ

Author:スリーアローズ
*** 
旅に出ましょう
それも
とびっきり寂しい旅に・・・

最新の文章
リンク
みなさまの声
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
目次
月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。