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スリーアローズ・ストーリー  13

 ところが、本当の試練は、新チームになってから襲ってきました。
 A君たちが引退した後の新3年生は3人しかおらず、この人数ではどうやっても勝てないだろうと、彼らも夏には引退すると言い始めたのです。県大会の準決勝で伝統校と対等に闘う経験をし、チームとして1つのステップを上がったと思っていた私でしたが、結局また振り出しに戻ったという目の前の現実の厳しさを痛感させられることになりました。
 そんなチームを救ってくれたのが、私と一緒にチームの門をくぐった新2年生の8人でした。先輩たちの激闘を目の当たりにした彼らは、本気で全国大会に出場したいと考え、練習に励んでいました。
 その思いがひしひしと伝わってきた私は、夏の大会が始まる前に緊急ミーティングを開き、新キャプテンを2年生のM君に指名しました。彼はサッカー部上がりで身体能力もきわめて高かったのですが、なにより人間性に惹かれるところがありました。私たちの世代のキャプテンに多かったガンガン引っ張っていくタイプではなく、みんなの意見を聞きながら物事を進めていくことができました。また性格も穏やかで、誰とでも公平に接することができるという点もキャプテンにふさわしいところでした。
 これで新3年生がどうなるだろうかと心配しましたが、彼らは逆に肩の荷が下りたようにも見え、結局、引退した先輩たちと同様、週1日の練習ではあるものの、最後までラグビーと勉強を両立するという道を選択しました。
 とはいえ、人数が少ないということが大きかったのでしょう、残念ながら、新3年生の取り組みは、旧3年生を超えることはありませんでした。夏を過ぎてからは、練習にもほとんど顔を出さなくなり、プレーも投げやりなところが感じられました。
 2年生キャプテンのM君も、心の中ではずいぶんと悩んでいたろうと思います。
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Author:スリーアローズ
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