スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スリーアローズ・ストーリー 18

 とはいえ、そんなギリギリの状態で、勝てるはずもありませんでした。
 結局その年の全国大会予選は2回戦で敗退しました。ノーサイドのホイッスルが響いた後、3年生の目には涙がありました。彼らがどんなつもりで泣いたのかは分かりません。もしかしたら私は、彼らに一方的につらい思いをさせていたのかもしれないという気も起りました。彼らは私の知らないところで、「まっとうな」悩みを抱えていた、それを、私は一方的な見方によって、チームがまとまらないのを彼らのせいにしていただけではないか? そんな疑念さえ沸きあがってきました。
 ただ、それは、「終わった」からこそ思えることでもありました。当事者ではなくなった瞬間、それまでの見方が変わるのかもしれません。むしろ、3年生の涙は、彼らなりに本気で取り組んできた証なのだと、前向きにとらえようと思いました。その方が彼らにとっても良いはずなのです。
 そんなことを想いながら、いつものように空を仰ぎました。晩秋の太陽は、山あいに新しく作られたグラウンドをさみしげに照らし出していました。芝生が枯れて所々はげているために、選手たちのジャージは泥まみれでした。
 その瞬間、ふっと思いました。
 監督という仕事は、きっと孤独なのだと。
 いくら周りに心強い応援者がいてくれても、当事者は監督1人なのです。苦悩に直面した時、私は、誰かに頼ろうとばかり思っていました。もちろん、応援してくださる人の存在はありがたいものだし、自分1人で解決できるような悩みなら、最初から悩まないはずです。
 ただ、いろんな人がいろんな助言をしてくれても、それらをすべて採り入れるわけにはいきません。最終的に決断し、結果に対して責任を持つのは、自分1人なのです。
 乾いた太陽に照らされた3年生の背中を見つつ、彼らから大切なことを教わった気がしました。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

作者

スリーアローズ

Author:スリーアローズ
*** 
旅に出ましょう
それも
とびっきり寂しい旅に・・・

最新の文章
リンク
みなさまの声
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
目次
月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。