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スリーアローズ・ストーリー 23

 次の朝、私は、実家で目覚めました。勤務校は実家に近い町にあったので、試合の後などはそのまま実家に帰ることにしていたのです。
 昔ながらの小さな漁村では、朝は小鳥のさえずりで目が覚めます。私がO高校に通う高校生だった頃にも聞こえていた鳴き声です。
 ただ、その朝ばかりは、どうしても穏やかな気分にはなれません。前日の完敗の余波が2日酔いのように頭に響いていました。1人ひとりの実力では決して負けていないはずなのに大敗を喫してしまい、彼らに申し訳ないことをしてしまったという一心でした。
 ただ、さらなる問題が立ちはだかっていました。いったい、これからどんな練習をすれば勝てるようになるのか、そのロードマップが全く見えなかったのです。間違いなく言えることは、今のままの練習を続けたところで、決して勝てるようにはならないということでした。つまり、自分の経験だけを頼りに、高校時代と同じ練習を繰り返しても効果は上がらないことに、はっきりと気付いたのです。
 私の勤務校は、進学校としては伝統があってもラグビー部は完全な無名校でした。私が高校生だった頃のO高校とは、まずそのスタートラインに大差がありました。部員数、練習環境、学校や保護者の理解、社会状況、それらの違いに対応した体系的な練習を構築しなければ、私自身、自らの過去の栄光を引きずることになるだけで、彼らを花園に出場させることなどできないのは目に見えていました。
 M君たちの代で結果を残さなければならない。さもないと、このチームはずっと上がっていくことなどはできない。そのために、まず変えなければならなかったのは、私自身の意識でした。花園出場というのは、私1人で達成できるような生やさしい目標ではなかったのです。
 その時、私の頭の中には、1人の男の姿がはっきりと浮かんでいました。
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Author:スリーアローズ
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