スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スリーアローズ・ストーリー 28

 カズはそう言って、すっと立ち上がりました。
 彼が最初に教えてくれたのは「コア・トレーニング」でした。この話は、今からちょうど8年前のことで、当時はまだ「コア」(=「体幹」)という理論は、今ほど馴染みがありませんでした。彼は、社会人ラグビーで得た最新のトレーニングを伝授してくれたのです。
 肩や股関節を回したり、跳んだり静止したりする誰でもできるような動作でしたが、選手たちは迷いなく取り組んでいました。ラグビーは特別な道具を使うわけではなく、紛れもなく身体を使ってするスポーツです。彼がいちばんこだわっていたのは、その根幹にあたるフィジカルの部分でした。
 それまで私が選手たちにさせていたトレーニングは、カズの理論と比べると、たしかに意図がないものでした。何のためにどこを鍛えるのか、そのことが抜けていました。
「H商工を倒すターゲット・ゲームまでにあと1年ある。それまでにチームを作るために、まずはパーソナル・スキルを上げること。個人の成長なくして、組織の成長はない」
 彼は選手たちに向かって何度もそう繰り返しました。
「コア」とは身体の幹をなす、腹筋を中心とした筋肉のことだと、私はその時初めて知りました。
「まずは、自分のコアを徹底的に強くして、筋肉を意識できるようになることから始めよう。自分のコアが意識できるようになれば、おのずと敵のコアも意識できるようになる。つまり、自分の一番強い筋肉を、敵の弱いところにぶつけていくわけだ」
 一見単純なトレーニングにもかかわらず、汗びっしょりの選手たちに向かって、カズはこう言いました。
「そのことを、これからは『ずらす』と呼ぶことにする。俺たちは、ずらすことによって前に出る」
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

作者

スリーアローズ

Author:スリーアローズ
*** 
旅に出ましょう
それも
とびっきり寂しい旅に・・・

最新の文章
リンク
みなさまの声
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
目次
月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。