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スリーアローズ・ストーリー 32

 カズが与えた4月の目標は「パーソナル・スキルの向上」でした。毎日の練習の前、これもカズからの提案でしたが、ルーティンとして円陣を組んで肩を取り合い、今月の目標と、年間目標を大声で唱和することにしました。
 さらに、これは選手たちのアイデアで、「ずらスキル」という言葉をかけ声に追加しました。何も知らない人が聞いたら、何を言っているのか絶対に理解できないだろうと最初は思いましたが、そのヘンテコな言葉は、最後までチームを下支えすることになりました。
 彼らは「ずらす」ということについて、カズが教えてくれた理論の他に、「敵の1つ上を行く考えを持つ」と解釈しました。敵とまともにぶつかり合うのではなく、考え方のオプションを持ち、敵の出方を想定した上で、敵の上を行こうというのです。
 ラグビーで大学に進学するわけではなく、あくまでセンター試験をクリアしなければならない彼らには、練習の「質」が求められました。つまり、彼らにとっての「ずらす」とは、常識の一歩前に出ることでもありました。「ずらスキル」とは、本気で文武両道を目指す彼らが考えた、合い言葉だったのです。 
 そのために、彼らは自主的にH商工のビデオを見て、敵の戦い方のパターンを分析しました。すると、敵の戦術は、意外とシンプルだということに気付きました。自陣ではほとんどの場合キックで前に出て、敵陣に入ってからは大型FWのパワーで圧倒し、タレント揃いのバックスの走力でトライを取りに行く。そのパターンの反復でした。サインプレーもシンプルで、皆で力を合わせて防御すれば対応できそうなものばかりでした。
 そういえば、これまでの2年間、こうやってビデオ分析をしたことすらなかったなと、選手たちの姿を見ながら私は振り返りました。「ずらす」という言葉をよりどころにして、選手たちはこうも変わるものなのだと、言葉の力を改めて実感しました。
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