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スリーアローズ・ストーリー 34

 どんなに練習の質が上がったとはいえ、2ヶ月に大敗を喫した記憶は、やはり簡単に消えるようなものではありません。1、2回戦では爽快なまでに決まった「ずらスキル」と「パス」による攻撃が、O高校に通用するとはどうしても思えませんでした。
 試合の前日、カズに電話すると、彼は「大丈夫だよ」と軽く言ってのけました。
「だいいち、今勝つ必要もない。計画通りにいけば、夏明けには間違いなく勝てるようになっているから、今は相手がどこであろうと2つの課題をきっちりと達成できることが一番大切だね。監督がぶれちゃいけないよ」
 電話を切った後、カズが作成してくれた計画表を改めて見てみました。たしかに彼が言うとおり、今の段階でO高校に勝つことは、計画には盛り込まれていませんでした。見ると「O高校相手に1トライ差以内のゲームをする」というのが現時点での想定でした。
 計画では、5月に「コンタクトスキル」、6月に「ディフェンススキル」を習得することになっていて、ここでチーム力は加速的に向上し、O高校を超える。さらに、夏休みの合宿で実戦での経験値を上げて、今度は本命であるH商工との差がぐんと縮まってゆく、それがカズのプランでした。
 計画表を見て、私は少し安心しました。そこにはチームのストーリーが克明に予言されているようでした。人生は思い描く方向に進む。「予言の自己成就」というやつです。
 カズは以前、「挫折を経験しながらも、自分なりの理論を体得することができた」と語っていました。計画表には、目標を達成するための最短距離がきちんと反映されていたのです。焦るあまり計画からぶれてはいけないと考え直し、心を落ち着けました。
 そうして迎えた、準決勝。
 やはり、O高校はそう簡単な相手ではありませんでした。 
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Author:スリーアローズ
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