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スリーアローズ・ストーリー 37

 それにしても、走り込み練習などほとんどしていない彼らのどこにこんなスタミナが残っているのか、不思議でなりませんでした。ラグビーでは肉弾戦が一番疲労するというのが私の経験です。ひたすら押し合い、身体をぶつけ合い、その直後に走り出すわけですから、心身ともに疲弊しているのは当然でした。
 それが、後半もあとわずかになったところで、選手たちからは「もっとコアを意識しよう」という声が上がるようになり、私はハッとさせられました。「コアとパスだけでまともな試合ができる」と自信を持っていたカズの言葉を思い出したのです。これまでの私は、明確な目標を打ち立ててゲームに臨んだことはありませんでした。その結果、試合中に多くの指示を出すことになり、選手たちも混乱してきたろうと反省しました。
 その時、F君とI君の素早いタックルによる相手のこぼれ球を拾い、そのまま密集になりました。平均体重ではO高校の方がずいぶんと重いはずなのに、彼らは徐々に前進を始めました。敵のお株を奪うような肉弾戦に、私は、自分でもわけのわからない声を上げていました。そうして、何と、彼らはそのままインゴールになだれ込み、トライを取りました。まさに「火事場の馬鹿力」でした。
 トライ後のゴールはサッカー部上がりの名手M君が外してしまい、スコアは15対17と2点ビハインドで、終盤を迎えることになりました。    
 O高校は何とか逃げ切りを計ろうと、密集の中でボールを保持したまま、ごりごりと前進するという、さらに手堅い作戦に出ました。しかし、F君を中心としたFWの選手たちは、そのことを想定していたかのごとく、密集の中で手を回し、狡猾なまでに相手ボールを奪い取ることに成功しました。
 ボールは、司令塔であるスタンド・オフのM君の手に渡りました。
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