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スリーアローズ・ストーリー 38

 M君は1か月間重点的に取り組んだ、素早く的確なパスをヒロに回しました。ヒロはチームのいわば花形選手で、体は決して大きくないものの、スピードと度胸を兼ね備えたトライゲッターでした。普段は大人しいがいざとなれば勇敢に戦うことができる彼は、私が最も尊敬する選手の1人でした。
 相手のディフェンスは当然ヒロに集中します。彼はそれを承知の上で、ぎりぎりのタイミングで、今度はS君にパスをつなぎました。練習通りのユニット・プレーでした。
 スピードに乗ったままボールを受けたS君は、ヒロに気を取られるあまり手薄になった相手ディフェンスの間を突破して、いよいよゴール前まで走り抜けました。O高校の選手は捨て身のタックルでS君を倒しにかかりましたが、彼はさらに後ろで待っているヤスにパスをしました。倒されそうになっても、コアを使って体勢を保持して、次の選手にパスをつなぐ。まさに「ずらスキル」と「パス」の合わせ技でした。
 ヤスは外側に広く開いたスペースに走り込みました。ところが、O高校はどこまでも粘り強く、トライかと高揚した瞬間に、カバーディフェンスの選手に掴まれました。さすがにK君は想定外だったようで倒されてしまいましたが、サポートに走ってきたFWの選手たちがすばやくボールを拾い上げ密集を作り、相手FWが密集に入ってきた直後に、再びボールがBKに供給されました。セオリー通りのタイミングでした。
 見ると、O高校の選手のほとんどが密集付近に集まっていて、外側はがら空きでした。しかもそのスペースにはF君たち3人が待ち構えていて、彼らは楽にパスを回し、最後はマツが余裕をもってトライしました。その後のキックもM君が落ち着いて決め、スコアは22対17。この試合、初めてリードを奪った瞬間に、ノーサイドの笛が鳴りました。
 私は、夢と現実の区別がつかずにいました。
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Author:スリーアローズ
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