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スリーアローズ・ストーリー 39

 すべてはカズが予言したとおりでした。明確な目標を持って努力すれば、1日ずつその達成に近づく。つまり人は目指す方向に進んでいく。そんな金言めいたことが、ラグビー部の監督として体得されるとは思ってもみませんでした。
「やっぱ、すごいね、あいつらは」とカズは受話器越しにしみじみと言いました。「計画通りに進んでいるのも、選手たちの力だよ。これからがワクワクだね」
 カズはそう言った後で「やっぱり、楽しくないと伸びないっていうことだ」と、自ら所属するのチームに言い聞かせるようにつぶやきました。
 夜、ベッドに横になって部屋の電気を消した途端、頭の中ではゲームの1コマ1コマが鮮明に再生されました。そのうち、「ずらスキル」と「パス」には、ラグビーの根幹をなすともいえる大切な要素が込められているように思えてならなくなりました。
 無用な激突を避け、コアを使って「ずらす」というのは個人の技能であり、ラグビーという集団スポーツだからこそ、まずはそこが重要となるわけです。
 しかし、1人でできることには限界があるというのもまた事実。だからこそ、適度なタイミングで仲間にパスを放るというオプションが生まれるわけです。
 パスを託された選手は、仲間の思いを背負ってさらに前進する。その繰り返しでトライが生まれる。つまり、トライとは個人技によるものではなく、仲間の力をつなぎ合わせた結果生まれるものだということを、改めて納得させられました。
 そうして、カズが与えてくれた「ずらスキル」と「パス」の2つの技術は、ラグビーを超えて、選手たちの実生活や将来の社会生活に応用できるのだと思いました。その時、過去に1人で生きたいと願ったこともある私の胸が、熱くなりました。
 おかげでその夜は、身体は疲労していたにもかかわらず、興奮で寝不足でした。
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Author:スリーアローズ
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