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スリーアローズ・ストーリー 47

 ただ、私以上に落胆していたのは、言うまでもなく選手たちでした。私は彼らに、「明日のミーティングでしっかり話し合うから、それまでは各自で今日のゲームを振り返っておいてほしい」とだけ言い残し、そのまま山間のグラウンドから車を走らせ、銭湯で身体を洗った後、新幹線に乗ってカズのマンションへと向かいました。
 カズの住む町に着いたのは夜の10時を過ぎでした。
 開口一番カズは「なんで負けたんだろう?」と軽く首を傾げ、私が試合の状況を簡潔に説明すると、タバコに火をつけて「大丈夫」と小さく頷きました。
 それを聞いて、私は涙が出るかと思いました。
「これまでが順調すぎたんだ。それに、O高校の連中がうち以上に必死だったということだ。向こうの『気合い』に圧倒されたっていう、よくある話だよ」とカズは説明しました。
 彼はチームメイトをマンションに集めてくれていて、皆で試合のビデオを分析しました。そうして、次の大会までに達成すべき課題を具体的にして、「これで12月にはO高校にもH商工にも勝つから、この経験を次に生かすよう選手たちに伝えておいてほしい。『雨降って地固まる』だから」と言いました。
 皆が帰って行ったのは深夜の3時過ぎでした。私は始発の新幹線で帰り、ほとんど寝ないまま、学校の教壇に立ちました。
 放課後のミーティングで、敗戦のビデオを振り返りながらカズたちの分析を選手たちに伝え、今後の計画を立てました。その上で、「大丈夫だよ」と言いました。その言葉に何よりも選手たちの表情がゆるんでいくのが分かりました。私も選手たちも、心は同じでした。
 どうやら、選手たちの闘争心はますます高まったようでした。今頃カズも眠気を抑えながら働いてるだろうなと夕空を見ると、感謝で胸が熱くなりました。
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