スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スリーアローズ・ストーリー 49

 ところが、全国大会予選の抽選会で私が引いたのは、よりによって、H商工のブロックに入るクジでした。その瞬間、各校の監督からも、ため息と安堵が混じった、妙な空気を感じました。スリーアローズがどのブロックに入るかは、抽選会最大の関心事だったのです。
 いや、大げさではなく、私は神を恨みました。O高校のブロックを引き当て、選手たちのモチベーションを爆発させるはずでした。しかし、それすらも許されなかった。
 H商工もO高校も、過去に何度も全国大会に出場しているのに対し、スリーアローズは3年生が夏に引退する風潮が何十年も続いていた。それを、M君たちのパイオニア精神と保護者の理解でここまで成長してきたのです。
「全然問題ないよ」とその夜カズは電話で言いました。「だから、監督がブレるなって。目標は、H商工を倒して花園に出ることなんだから、準決勝であいつらに勝って、決勝でO高校に勝てばいいじゃん」
 たしかにその通りでした。ここまでカズと一緒に計画を立て、実行してきたわけですから、彼の思考パターンは、もはや私も共有していました。とはいうものの、私の中では、これまで一度も勝ったことのないH商工に勝てるという確信が持てなかったし、何より、自分の慢心でO高校に大敗を喫し、しかも抽選でも意中のくじを引き当てられなかったという申し訳なさが、心の底にどろどろと沈んでいたのです。
「勝てるって、H商工に」とカズは弱気な私の肩を叩くかのように言いました。「これまでやってきたことを思い出してみてよ。すべてはあのチームに勝つためにやってきた。相手の攻め方も熟知している。おそらく相手は、新しいことはやってこない。スリーアローズの選手たちは自分の役割を十分に理解して、練習の成果を出しさえすればいい。しかも、次は慢心を抱かないよ。チャレンジャー精神で臨めるはずだ。負ける要素は何もない」
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

作者

スリーアローズ

Author:スリーアローズ
*** 
旅に出ましょう
それも
とびっきり寂しい旅に・・・

最新の文章
リンク
みなさまの声
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
目次
月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。