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スリーアローズ・ストーリー 52

 10月も半ばに入ると、学校は受験ムードに包まれます。進学校に勤務する教師も心地よい緊張感に引き締められる季節にさしかかっていました。
 ただ、私にとって、この年ばかりは、例年以上に肩に力が入っていました。「ラグビーと受験勉強を両立した方が、むしろ進学実績も上がるのだ」と宣言していた、その結果が問われる時期でもあったからです。
 選手たちは、すでに部活を引退して受験モードに入っている他のクラスメイトの中、何とか後れを取るまいと、必死に勉強に励んでいました。放課後練習が終わってからは、国公立大学を受験するヒロとヤスとマツが制服に着替え、学校の図書館で遅くまで勉強していました。副キャプテンのF君は塾に直行していました。
 その他の選手も、それぞれの受験勉強に精を出していました。そんな中、いち早くS君が推薦入試で東京の有名私大に合格しました。彼はラグビー推薦を使わずに、一般推薦入試で合格を勝ち取ったわけですが、これには、他のチームメイトも喜んでいました。受験の面でも、努力は実るのだと勇気づけられたのでしょう。ただ、その一方で、S君の合格に焦りを感じる選手もいたはずです。常に不安と隣り合わせなのが高校生というものです。
 推薦入試を目指していたのは、キャプテンのM君も同じでした。彼はS君のような一般推薦ではなく、指定校推薦という制度を使おうとしていました。この入試は、大学側が高校に対して入学枠を与えるもので、高校の校長の推薦があれば、面接を受けるだけでほぼ間違いなく入学を許されるという入試でした。
 キャプテンのM君が最後までラグビーに打ち込むためにも、面接だけで一流大学に入学できるこの制度を利用するのは、間違いのない選択でした。事実彼は、この制度を利用するために、1年生の頃から努力していたのです。
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