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スリーアローズ・ストーリー 53

 M君は、指定校推薦の一覧表から、東京6大学の1つであるA大学を志願しました。その際、彼は入試の日程を重要視していました。というのも、A大学の入試は、ラグビーの全国大会予選が終わった後だったのです。
 第2希望はB大学でしたが、この大学の入試はちょうど決勝戦の日に重なってしまうため、現実的には考えていませんでした。事実、M君は学習成績や出席状況、それにラグビー部のキャプテンとしての実績があるために、調査書で他の志願者に劣る要素は何もなかったのです。校内で行われる選抜会議は、彼を希望通りA大学に推薦するだろうと、私だけではなく、同僚の教師もそう踏んでいました。
 会議の1週間前、私は議長の先生に、これまで努力してきたM君の思いと、初の花園出場のためにもぜひA大学の推薦をお願いしますと伝えておきました。議長は、資料を見ながら、「対抗馬は見あたらないかもね」と低い声で言いました。
 彼こそ、ラグビーによって大きく成長した選手の1人でした。そして私には、彼が2年生の時からキャプテンを任せ、チームをここまでにしてくれたという、言葉にできないほどの恩がありました。さらに彼の両親には、保護者会の会長として大きな後方支援をしてくださり、常に前向きな発言で私の背中を押してくださいました。何としてでも彼の進学先だけは保障しておきたい、私はそう思っていました。
 M君はA大学の指定校推薦を手にすることを前提に、キャプテンとして、ラスト1ヶ月の練習を取り仕切っていました。広島の「お好み村」でトップリーグの監督が選手たちに向けて言った「時間は絶対に戻ってはくれない」「学校のグラウンドでやったことすべてが試合に出る」というメッセージは、彼らの合言葉になっていました。
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