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スリーアローズ・ストーリー 58

「ラグビーは勝ち負けではなく、あくまで教育ツールだって、最初に言ったじゃん。最後の最後になって監督がぶれちゃだめだよ」とカズはこれまで何度も私に助言をくれたときと同じく、平然と言ってのけました。
「しかもスリーアローズは頭脳的な戦術をとってきたんだ。キャプテンはスタンドオフの選手がふさわしい。ケンジをスタンドオフで使うつもりなら、あいつをキャプテンにするしかないだろ。学年は関係ない」
「つまり、決勝戦だけケンジをキャプテンにするということだね?」
 カズの勢いに気圧されながらそう訊くと、カズは「だめだね、それじゃ定着しない」ときっぱり断言しました。「明日からもうキャプテンを変えるんだ」
 私が言葉を失っていると、カズは「大丈夫だよ。花園に行くのは俺たちだから」と言いました。
 その「大丈夫」という言葉を聞いたとき、私は再び深い安堵に包まれました。こんなありきたりの言葉に、ここまで胸を温められたのは、初めてのことでした。
 もちろん、カズのアイデアがうまくいくかどうか分からず、不安でした。ただ、今のままの沈痛な雰囲気を打破するためには、キャプテンをM君から他の誰かに変えた方がいいということだけは、カズと一致するところでした。
「準決勝と決勝に勝ってから、Mをキャプテンに戻せばいい。その時、さらにチームは強くなっているはずだ。ひょっとして、勢いに乗って花園でも勝ち進むかもしれない。これまでMに任せっきりだったところもあるんだから、予選の間は、みんなで力を合わせてMのために戦うんだよ。それがスリーアローズだ」
 カズのその言葉で、私も腹をくくりました。 
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Author:スリーアローズ
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