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スリーアローズ・ストーリー 59

 あくる日のミーティングで、今日からキャプテンをM君からケンジに変えるという旨を選手たちに伝えた時、彼らは私が想像していたほどには驚きませんでした。ケンジ本人にだけはその日の昼休みにそっと下話をしていたのですが、さすがにその瞬間は表情をこわばらせていたものの、ミーティングの時には、だいぶ落ち着いて受け止めていたように見えました。決勝戦に出場しないM君をこのままキャプテンとすることに対して、選手たちも限界を感じていたのでしょう、むしろ彼らからは安堵の表情さえ見て取れました。
 何より穏やかな顔をしていたのは、他でもないM君でした。もちろん、彼は申し訳なさを抱えていたに違いありませんが、それをそのまま表に出すほど、彼は浅はかではありませんでした。2年生のケンジがキャプテンをすることについて、心から賛同し、今日からはケンジをバックアップするのだという新たな決意さえ感じることができました。
「本当に僕にキャプテンが務まるかどうか不安ですが、花園に出場できるように精一杯やりますので、よろしくお願いします」とケンジは、顔を赤らめてそう言いました。 
 すると、熱血ファイターのI君が「学年とか関係ねえから、思いっきりやろうや」と声を上げました。S君は「花園に行ったら、Mがキャプテンに復帰できるんだから、決勝は俺たちで何とかしようぜ」と続きました。
 スリーアローズには、理不尽な上下関係などありませんでした。それはもしかしたら、夏休みの合宿で、一緒にカレーライスのメニューを考え、皆で料理した経験が生きているのかもしれないと考えたりもしました。
 もちろん、私も、どうしても花園に出場したいことには違いありませんでしたが、こんなに大きな試練をチームワークで乗り切ろうとしている彼らとともに活動できているだけで、本当は十分に幸せでした。
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Author:スリーアローズ
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