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スリーアローズ・ストーリー 60

 かくして10月は、秋風のごとく吹き抜けていきました。全国大会予選を1週間前に控えた日の放課後、選手たちはミーティングルームに集まっていました。
 振り返ってみると、2月にO高校に敗れた直後に緊急ミーティングを開き、「来週からトップリーグの選手をコーチに招いて計画的に練習するから心配するな」と大風呂敷を広げたのもこの部屋でした。1年間の目標をみんなで設定し、試合の後は必ずビデオを分析し、スリーアローズというチーム名を決めたのもここでした。9月には再びO高校に大敗を喫し、落胆していた選手たちに発破をかけたのも、それからキャプテンをM君からケンジに変えるという宣言をしたのも、すべてこの部屋での出来事でした。スリーアローズにとっては、いわば作戦室とでもいうべき、多くのエピソードの詰まったこの部屋で、全国大会予選の1週間前にしたのは、チームメイトに向けてメッセージを綴るという活動でした。
 熱血ファイターのI君は、副キャプテンのF君に、こう書きました。
「実はオレは、中学からラグビーをやってたお前がうらやましかった。1年の頃はいつもお前の背中を追いかけてプレーしていたような気がする。今だから言うけど、お前がいてくれたから今のオレがあるんだと思う。絶対花園行こうな!」
 チームの花形選手であるヒロは、もはや県内で最も有名な選手に成長していました。彼はS君に向けてこう書きました。
「あの時お前が勧誘してくれてなかったら、たぶんバレー部に入って、今頃は受験勉強をしてたと思います。ラグビー部に入って本当に良かった。僕を変えてくれたのはお前だよ。1日でも多く一緒にプレーできるように、一戦一戦を大事に戦おう」
 M君は、すべての選手のメッセージの中に「ありがとう」という言葉を書き込みました。
 帰宅した後、選手たちが書いたメッセージを読んだ私の目には、涙があふれていました。
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