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スリーアローズ・ストーリー 62

 試合の直前の練習は、主にサインプレーの確認に多くの時間を費やしました。カズが伝授してくれた、とっておきのユニット・プレーです。
 司令塔となるスタンド・オフの位置には、準決勝のH商工戦に向けてM君が立ったり、決勝戦に向けてはケンジが立ったりと、さまざまな状況を想定して選手たちは自主的に動きを細かくチェックしていました。
 ケンジがキャプテンになって間もないうちには細かいミスもありましたが、1ヶ月もすればもはや誰がどのポジションに入ってもうまくいくまでにユニットは成熟していました。しかも全国大会予選では自分たちの納得のゆく試合運びで快勝したということも、大きな自信となり、プレーにさらなる躍動感をもたらしていました。
 これこそがカズの言うチーム力なのだと、言葉の上ではなく、はっきりと目の当たりにしたような気がしていました。
 しかし、そんな選手たちの動きを見ながら、心の奥では孤独に襲われてもいました。次に対戦するH商工は、私の記憶する限り、ここ数年、県内の公式戦ではどこにも負けたことがありません。他校に勤務していた頃は、テレビの中でゲームを見てきましたが、実際のグラウンドでは、体格といいスピードといい、県内では群を抜いている感がありました。何より、選手たちは絶対に負けないという強大な自負心をもっていました。おそらくラグビーというスポーツは、その部分がかなり勝敗に左右すると私は思っています。
 スリーアローズの選手たちは、H商工に勝つために生き生きと練習に励んでいる。トップリーグの選手であるカズも、必ず勝つと言い切っている。しかし、監督の私は、どうしても、そうやって心を大きく持つことはできませんでした。
 スリーアローズならやれるかもしれない。しかし、それはまさに、奇跡でした。
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Author:スリーアローズ
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