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スリーアローズ・ストーリー 65

 それにしても、山を切り開いて作られた新しいラグビー場の空気はからりとしていて、吹き抜ける風が頬にぴったりと貼りついてくるようでした。
 ねずみ色の雲の間にセルリアンブルーの空が顔をのぞかせていたかどうかはやはり定かではありませんが、ラグビー場のすべてが、やわらかな初冬の日差しに包み込まれていたのはたしかでした。
 スリーアローズの選手たちはスパイクを履き、サブグラウンドでストレッチを始めました。約10ヶ月前にカズが伝授してくれた、コア・トレーニングと連動した、合理的なストレッチです。あの頃から比べると選手たちの身体は筋肉が盛り上がり、いかにもラガーマンらしくなっていました。そんな姿を、私は感慨深く見守っていました。
 試合前の練習はカズが仕切りました。
 これまでどんな試合もカズが表に出て指導することはありませんでしたが、きっと彼にも、気負いがあるのだろうと想像しました。
 振り返ってみると、カズはあくまで私をサポートするというスタンスを貫いてきました。日中は大手企業のグローバル・マーケティング部のグループリーダーとしての仕事をこなし、夜はラグビー選手としてハードな練習に励み、休日には試合に出場していたカズは、貴重な休暇を削って、スリーアローズにあらん限りの情熱を注ぎ込んでくれたわけです。
 彼は自分の苦労を口にするタイプではありませんが、1年かけて目指してきたH商工とのターゲット・ゲームに際しては、並々ならぬ思い入れがあったのでしょう。
 そうして、その思いは、スリーアローズの選手はもちろん、周りで応援してくださった保護者の方々にも、そしてもちろん私にも、十二分に伝わっていました。
 その日のカズの練習には、10ヶ月かけて取り組んできたことが全て含まれていました。
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Author:スリーアローズ
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