スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スリーアローズ・ストーリー 67

 私はほとんど無意識のまま、円陣に加わっていました。試合の前に円陣に参加するなど、監督になって初めてのことでした。
 選手と肩を組んだまま顔を上げると、彼らは全員、号泣していました。その光景に、自分の高校時代が重ね合わされました。
 そういえば、最後の試合の時も・・・その試合は結局負けてしまったわけですが、試合前の円陣で、チームメイトたちはやはり泣いていて、私のまぶたからも、涙があふれ出ていました。
 試合の前に泣くというのはいったいどういうことなのだろうかと、あの試合の後でふと考えたことがあります。そうして考えた結果、「猛烈な孤独に苛まれから泣くのではないか」という一応の仮説にたどり着きました。
 ラグビーはチームスポーツだからこそ、孤独に陥るのです。つまり、チームメイトの存在があるからこそ、自分1人の存在が逆に際立ってくる。自分がミスをするのではないかという不安もあれば、逆に自分が何とかしなければならないという気負いもある。
 そういえば、「1人より 2人の孤独 秋の風」と詠んだ歌人もいました。
 チームスポーツにおける孤独は、もしかすると私たちが生きてゆく上で否応なしに背負っている宿命的な孤独と同じかもしれません。
 そしてその孤独は、もちろん自分1人でどうにかなるわけではなく、皆でカバーし合うしかない、だからこそチームメイトの存在に心の底から勇気づけられ、そのありがたさにたまらず涙がこみあげてくるのではないか。高校時代の私はそう分析しました。
 そんな実感が一瞬間だけ、はっきりと甦った後、いつしか私も選手たちに混じって泣いていました。私は震える声で試合の指示を出しました。選手たちは腹の底から返事をしましたが、じつは、細かい指示など聞いていませんでした。言わずとも、十分に理解していたのです。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

作者

スリーアローズ

Author:スリーアローズ
*** 
旅に出ましょう
それも
とびっきり寂しい旅に・・・

最新の文章
リンク
みなさまの声
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
目次
月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。