スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スリーアローズ・ストーリー 72

「この3点はでかいよ」とカズは興奮していました。「後半になって、絶対に効いてくる」
 それはまるで、預言者の言葉のような重みをもって私の耳に入ってきました。
「とにかく、この前半の間に、1点もやらないようにしなけりゃいけない」 
 カズはそう言って立ち上がり、ディフェンスラインの選手に向けて指示を出しました。
「フェイスはきっちりとエリマネしていこう」とカズは言ったのですが、もちろんH商工は何のことやらまったく分からなかったでしょう。そのへんてこな言葉を聞いて、スリーアローズがどんな戦術を採ろうとしているのか、逆に気になったはずです。3点を返されて劣勢気味の相手からは、明らかに動揺が見られました。
 スリーアローズの戦術は、すべて暗号化されていたのです。
 ちなみにカズが出した指示は「前半も残り時間が少なくなってきたから、無理して相手に隙を見せるよりは、確実に陣地を前に進めて、このままの点差で行くように」という意味でした。この試合は後半にヤマ場がくる、そう踏んで、あえて前半は風下の陣地を取ったわけだから、ここで無理をしても得策ではない、リスクカットを図りながら体力を温存して、後半に勝負をかけようというカズの戦略が、選手にも私にも、よく理解できました。
 そうしてカズの思い描いたとおりに、3対7というロースコアのまま前半終了のホイッスルが鳴り響きました。
 われんばかりの歓声に迎えられて戻ってくる選手たちは、歩きながらディスカッションをしていました。どうすれば後半に逆転できるか、熱心に意見交換していました。
 私は彼らに端的な指示を出しました。①後半は風上だからキックで前に出よう。②敵陣に入ったら必殺のサインプレーを使おう。
 選手たちが私の指示に頷いたとき、H商工のベンチから大声が聞こえました。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

作者

スリーアローズ

Author:スリーアローズ
*** 
旅に出ましょう
それも
とびっきり寂しい旅に・・・

最新の文章
リンク
みなさまの声
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
目次
月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。