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スリーアローズ・ストーリー 75

 前半は一進一退の攻防が続き、サインプレーを出すチャンスがなかなかありませんでした。あれよあれよという間に、時間だけが勝手に走ったような印象でした。
「スリーアローズはストーリーの中に含まれている」と私は何度もそう思いました。「選手たちが目標を達成しパイオニアとなる瞬間が、この大歓声の前で起こるのだ」
 私は無意識のうちに立ち上がり、「ストーリーの見せ場は、必殺のサインプレーだ!」と心の中で大声で唱えました。選手と監督の区別はもはやありませんでした。
 M君がキャプテンを降りるのを機にカズが伝授してくれたサインプレー、どんな相手にでもチームワークでトライを取ることができるように作り込まれたこの戦術が成功する時、スリーアローズは真のスリーアローズとなれる、そんな声が地下からグラウンドを揺さぶりました。
 その時、私は、私自身のことを思ってもいました。それは急激に圧縮された情報のように、一瞬間のうちに心を満たしました。
 少年時代からの想い出、スポーツにしろ勉強にしろ、決して1番にはなれなくて、高校でラグビーと出会ってからも最後には負けてしまった。大学時代はその反動で退廃的な日々を過ごしたが、心のどこかでは何か夢中になれるものを探していた、それも魂の全てを焦がすほどの熱くなれるものを求めていた、でも、そんなものはどこにもなかった・・・。生きるために必死だった就職浪人時代、就職後は現実の汚さに何度も挫折感を味わった、そんな自らの半生が苦味となって喉元にこみ上げてきました。
「俺も、スリーアローズのストーリーに含まれている」そんなことを思いながら声を振り絞りました。願ってもないチャンスがやってきたのは、その直後でした。
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スリーアローズ

Author:スリーアローズ
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