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少年の日の思い出

 30年近く前の話です。その時私は小学4年生で、「いじめ」の事件が、おそらく初めて社会問題になった時期でした。
 ある大雨の朝、授業が始まる前に、私は小学校で一番恐ろしいといわれる先生に放送で呼び出され、職員室に入って、その先生の前に立った瞬間、いきなりぶん殴られました。
 先生の言い分はこうです。昨日の夕方、私ともう1人の6年生が、ある下級生の帽子を奪って道ばたに捨てたと保護者から苦情が寄せられたと。それで先生は、私たちから事情を聞く前に、手を出した。私は、言葉が出る前に涙が出た・・・
 それで私は、その6年生と2人で、大雨の中、裸足で、帽子を探しに行きました。すると、先生が言ったとおり、踏切の前のガードレールの外の草むらに、広島カープの赤い帽子が見えました。私たちはその帽子をもって、下級生に届けました。
 するとその下級生は、ずぶ濡れになった私の顔を見て、「どうしてきみが関わっているのか?」と訊いてきました。私は、わけが分からないのだと答えました。下級生が言うことには、彼の帽子を奪ったのは私と同じ名字の別の児童らしいのです。つまり私は、先生の勘違いによって、濡れ衣をかけられたのです。
 その日の1時間目は音楽室での授業でしたが、私は担任の先生に呼び止められ、そこで初めて私の話をきちんと聞いてもらうことができました。先生は真っ赤な顔をして、「きみは全く悪くないじゃないか!」と、怒ってくださいました。私はその時、堰が切れたように、声を上げて泣きました。くやしくて、うれしかった・・・
 それから数年後、所用で学校を訪ねた時、私を殴った先生とばったり会いました。でも先生は、私をよく覚えていなかった。
 話を聞いてくれた担任の先生は昨年退職され、私は花束を渡しました。あの日よりもしわが刻まれた先生の笑顔を見ると、涙があふれ出そうになりました。
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スリーアローズ

Author:スリーアローズ
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