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逆さまの心

 桜が満開ですね。
 とはいえ、私の町では、ここのところ雨が降ったり風が吹いたりで、桜の木の下には花びらが落ち始めています。
 昨日は昼休みに職場近くの桜の名所を歩きました。普段よりもたくさんの人が散歩を楽しみ、写真を撮ったりしていました。この花はやはり、人々の心を揺さぶるのでしょう。
 以前にも紹介しましたが、桜を愛でる人を見ると、必ず思い出す和歌があります。

世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし

 平安時代の風流な男性として名高い在原業平の和歌で『古今和歌集』にも収録されているものです。「この世に桜の花がなければ、春の心はもっと穏やかだったろうに」というくらいの訳ですが、私はこの和歌に、作者のやり場のない思いを感じとります。
 特に「たえて桜のなかりせば」という言葉には強い逆説の響きがあります。「桜さえなければ、私の心はこんなにもざわめかなかっただろうに」というわけです。「あぁ桜よ、どうしてお前はそんなに可憐に咲くのだ」という嘆きさえ聞こえてくるようです。
 なぜ業平はこんなにも桜に執着したのでしょう? 
 1年のうちにほんのわずかな時間しか咲くことのない桜にはかなさを感じたのかもしれないし、あるいは恋人が投影されていたのかもしれない。「あなたがいるから私の心がこんなにも苦しいのだ」と。しかし、悩ましい存在であればあるほど、ますます心は惹かれてしまう。心と体は、そんな逆説の関係なのです。
 いずれにせよこの花は、今も昔も私たちの心を惑わすことには違いないようです。
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Author:スリーアローズ
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