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世の中を動かす人 その3

 太郎先生と出会ったのは10年近く前の話で、その時私は高校ラグビーの監督をしていました。太郎先生は別の高校の校長でした。
 初めて話をしたのはラグビー関係者の忘年会の席で、太郎先生は頬を赤らめてごきげんな様子でした。その頃の私は、今よりもさらに「上下関係」をわきまえておらず、校長である太郎先生に対しても、他校に勤務しているということで無関心でした。
「お前はほんとに無礼な奴じゃのう」と酔った太郎先生は私に顔を近づけてきました。私は、不快感を覚えつつも、何とかその場しのぎの対応をしました。
 太郎先生は、私についていろいろなことを聞いてきました。故郷のこと、高校時代のこと、教員になってからのこと・・・
 ラグビー指導者の中にうまく溶け込むことができなかった私だったので、酒臭い太郎先生にも、話を聞いてもらえるというだけで、親近感を覚えるようになっていました。私はここぞとばかりにいろいろな話をしました。
 高校ラグビーは勝敗の道具ではなく教育ツールであること、根性主義で練習量だけ増やしてもあまり意味がないこと、練習の質を高めるには選手同士が考え話し合う場が必要であること、そんな話を立て続けにした記憶があります。
 太郎先生は酒を飲みながら、私の話に耳を傾けていました。そうして、話が終わると、盃を私に持たせて「お前も飲め」と強引に進められました。
 嫌な顔をしてそれを飲むと、「ばかやろー」と言って、私のネクタイを引っ張り上げてきました。その時の太郎先生の顔は実に愉快そうでしたが、私の方は、本当に窒息するのではないかと思わされました。
 それからというもの、試合の時、太郎先生は必ず声をかけてくれるようになりました。
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Author:スリーアローズ
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