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普段は姿を見せないもの

 今まさに、台風の暴風域の中にいます。
 オートバイの排気音のような音を立てて風が吹き荒れ、街路樹が髪の毛のように揺さぶられています。空は憂鬱なねずみ色に覆われたかと思うと、突然日差しが差し込んだりもして、それも束の間、再び分厚い雲に包まれてさらなる風雨が容赦なく吹き荒れます。
 ふと思うのですが、台風とは、人間の感情のようでもあります。
 何もかもが嫌になって、ある時、急に暴れたくなる、私には、しばしばあることです。
 だからか、台風には、どこか共感するところもあるのも事実です。それゆえ、台風への有効な対応策は、遠ざかってゆくのをひたすら待つのみだということもよく分かっています。感情を爆発させた自分への対処と同じことです。
 古典の世界では、台風のことを「野分(のわき)」と呼びました。文字通り、野原をかき分けるくらいの強風という意味です。
『源氏物語』にも「野分」という巻があります。
 まさに栄華を極めていた光源氏の邸宅である六条院に、息子の夕霧が見舞うという場面です。強風により、普段は見ることのできない六条院の内部が夕霧の目に飛び込んできます。そこで彼が目にしたのは、光源氏の正妻格である紫の上の姿でした。
 平安時代の貴族女性は表には現れず、夫など特別な男性にしか姿を見せませんでした。それで、台風がもたらしたハッピーサプライズによって初めて紫の上を垣間見た夕霧は、その美しさにすっかり目を奪われてしまい、物思いの種になります。
 暴力的な風が吹き荒れるからこそ非日常的事件が起こりうる、時にそれは、普段は経験できない「美しき事件」であったりします。
・・・とはいえ、対策だけはしっかり講じておきたいところですが。
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Author:スリーアローズ
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