スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

なくてぞ人は恋しかりける

 私の家には古いピアノが置いてあります。ずいぶん前にいとこから譲ってもらったのですが、ほとんど蓋を開けられることもなく、眠っていました。 
 それで、思い切って、今回業者に売りに出すことにしたわけです。
 さすがにピアノセンターの人はいかにも手際よく、30分もかからないうちに専用のトラックに載せて、あっという間に運んでいきました。
 彼らが去った後、部屋はがらんとしていました。前よりもずいぶんと広く、明るく感じられ、あぁ、これが最近流行のミニマリストの世界なんだな、と思ったりもしました。
 ただ、それだけではない、なんとも言えない感覚が心に残ったのも事実です。
 そこに置いてある時にはまったく見向きもされなかったピアノ、大学生の頃に習った練習曲を何度か弾いただけで、蓋さえ開けられなかったピアノなのに、どういうわけか、なくなってしまえばそれはそれで寂しいのです。いや、なくなった後になって初めてピアノの存在感が身に沁みるような気さえしました。
 これは人間も同じかな、と、ふと想いました。たとえば教室に30人のクラスメイトがいる、日頃はそこにいるのが当たり前だと思っているけど、もし、誰か1人でもいなくなれば、同じように寂しく感じるにちがいない、と。
 なにも教室に限ったことではない、普段は存在の意義など考えたこともないのに、いなくなって初めて、あぁ、あの人は、こんなにも自分にとって大切な人だったんだと実感させられる、人間の存在とは、そんなものなのかもしれない。
 だとすれば、いずれはすべての人と別れることになるのだから、今のうちに、会えるうちに、その人としっかり触れ合っておきたい、ピアノのなくなった部屋の中で、1人、そんな想いが心の中を吹き抜けていきました・・・
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

作者

スリーアローズ

Author:スリーアローズ
*** 
旅に出ましょう
それも
とびっきり寂しい旅に・・・

最新の文章
リンク
みなさまの声
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
目次
月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。