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キラキラ 172

「え?」と思わず言葉が漏れた。奈月は一瞬だけ僕の方を見て小さく肯いたが、すぐさま続きを読んだ。
「・・・その知らせを聞いた時、まず光源氏の頭に浮かんだのは、過去の占いの結果だった。というのも、かつて父の桐壺院が統治していた頃、光源氏の将来について高名な占い師に観相をしてもらったことがあった。それによると、光源氏は天皇になる相があるが、そうなれば世の中が乱れるかもしれない。だが、源氏の3人の子供は、それぞれ帝・后・太政大臣になるということだった。源氏はその観相結果を思い出し、現に藤壺との不義の子は冷泉帝として即位していることも考えて、明石の君との間に生まれた姫君が将来の皇后になると直感した。
 それで、源氏は、まず、父に仕えた宣旨の娘という女性を乳母として明石に送り、自分がいかに姫君を大切に思っているかを伝えた。この取り計らいに心慰められた明石の君だったが、やはり都へ上るということになると、どうしても気後れしてしまうのだった。
 秋になり、源氏は、須磨での暴風雨の際に住吉の神に様々な願を立てたことの願ほどきのために住吉大社に参詣した。その日偶然にも、明石の君も例年の参詣に出かけていて、舟で難波の浦に到着した時、光源氏一行の豪華な行列と鉢合わせてしまった。それを目の当たりにした明石の君は自分の罪深さを知り、たまらなく悲しくなって、人知れず涙に濡れた。光源氏の乗っているきらびやかな車をはるか遠くから眺めると心がしめつけられて、とても直視することなどできない。彼女は住吉に行かずに、難波の浦でお祓いをすることにした。その話を聞いた光源氏は、あわてて彼女に和歌を贈った。

みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける えには深しな
(身を尽くして命をかけた恋の証に、澪標(みおつくし)で知られるここ難波の地であなたと巡り会えたのは、きっと前世からの深い縁があったからでしょう)」
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