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キラキラ 211

 僕は白く盛り上がった彼女のおしりに唇を付けた。高校時代に新体操で鍛えた、筋肉質なおしりだった。大学生の時、奈月はよく体のことを自慢していたものだ。筋肉だけではなく、彼女には並はずれた柔軟性もあった。サークルの仲間たちと体育館を借りてバドミントンをした時には、華麗なバック宙も披露した。あの東山でさえ、奈月の身体能力には舌を巻くほどだった。
 その奈月のおしりに僕は今キスしている。それを自覚した瞬間、頭の中でまた木の枝がへし折れる音がした。学生時代に僕の前を歩いていた、トレーナーを着た奈月の肖像画が遠くの風景の中に消えていくようだった。奈月の行く手には大学のキャンパスがあり、僕たちが下宿していた辺りの景色があり、皆でよく足を運んだ居酒屋やゲームセンターなどがあった。それらの光景は、すべてベルトコンベヤーに乗っているかのごとく僕から離れてゆく。そうして奈月も光景の中へと溶けてゆく。
 ふと我に返ると、目の前にいる裸の奈月は僕の動きに呼応して小刻みに震えている。もう、あの頃の僕たちには戻れない。そのことがすこぶる意外に感じられる。これまで僕は、いつでも気軽に過去に戻ることができるとたかをくくっていたかのようだ。
 僕は奈月を仰向けにしようとした。すると彼女は足を曲げてそれをさせないようにした。そうして、そのままの体勢で「先輩」と話しかけてきた。
 僕は手を止めて奈月の顔に目を遣った。
「最後までするのはやめしょう」と奈月は小声で言ってきた。「忘れられなくなっちゃいます」
「我慢できない」と僕が返すと、彼女はどこかうれしそうにしつつも、首を左右に振った。
「私もすごくしたいですけど、そうなっちゃうと、私、佐賀には帰れなくなります」
 僕は奈月のおしりをさわりながら、どうするべきかを考えた。すると彼女は「このまま抱きしめてください」と言った。やはり、僕の心の声が聞こえているかのようだった。 
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スリーアローズ

Author:スリーアローズ
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