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キラキラ 250

 僕がそう言い終えた後、少しだけ間を置いてから奈月はこう言った。
「質問はそれだけですか?」
 僕はほとんど反射的に「それだけだ」と答えた。それからまたしばらく時間が止まった。
 すると奈月は、ぽつりと口にした。
「2つの質問を、1つずつ、順序に従って答えなければいけませんかね?」
 僕には彼女がそう言う意図が理解できなかった。だから、彼女に対して、何をどう返せばよいのやら、当然分からなかった。そうしていると、奈月の方から話をつなげてきた。
「今の質問に対して順序通りに説明すると、二度手間になって、かえってまどろっこしくなるような気がします。なので、私は、私のやり方で話したいんです。その方が、先輩にも、きっとうまく分かってもらえるはずです。ただし、だいぶ後になってからのことでしょうけど」
 奈月はそう言ったが、ますますわけが分からなくなるばかりだ。とはいえ、それはそれで大した問題でもない。僕の頭の中でもつれている糸をほどいてもらえるのであれば、方法などどうでもよい。
 奈月は僕が何も言わないうちに、さっそく話にかかった。
「私、長いこと、いつからなのか思い出せないくらいに前から、先輩と一緒に旅行することを夢見てたんです。『思い通りにならないようで、思い通りになっている』のが人生かもしれませんが、『ずっと思い続ければ、何らかの形で叶う』というのも人生なのだと私は思って生きてきました」
 たしかにそうだ。僕の知っている奈月は、そうやって前向きに生きる女の子なのだ。その話を聞いただけで、僕の中のもつれが1つほどけたようだった。
「私は、どこでもいいから先輩と2人で外に出たかったんです。もしそれが、遠くに行って、できれば一緒にお酒を飲んだり、一緒に寝たりできたら、どんなに幸せだろうって、ずっとずっと心の底で思ってました」
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スリーアローズ

Author:スリーアローズ
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