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キラキラ 261

「仕打ち?」と僕は言った。
「いくら私が麻理子さんから離れたところで、あの人は私の情報をちゃんとつかんでたんです。大学にいる間、私が先輩にくっついてることを知ってたんです」
 その情報を麻理子に流したのは、もしかしたら僕かもしれない。何も知らなかった僕は、何も考えずに奈月の話を麻理子にしたのだ、きっと。
「授業が終わって、私がバイトの準備をするためにアパートに帰った時、東山君が部屋にいたんです。彼は合いカギをもってたので、いつものことだったんですが、その日ばかりは何か様子がヘンだったんです。私が部屋に入ると、いつもなら東山君は私の方を向くんですけど、あの日はあぐらをかいたまま、ずっと窓の外を見てたんです。『ただいま』って言っても、彼は無視しました。それで私はものすごく嫌な予感がしたんです。
 結局、彼は何も言わないまま、私はお寿司屋さんのバイトに行って接客したんですが、心の中は嫌なことばかり考えてました。バイトが終わって部屋に帰った時、東山君は、夕方とまったく同じ格好で座っていました。私がどうしたのかと聞いても、何も応えないんです。私は予感が的中していたことを思い知らされて、泣きそうになりました。
 しばらくして、東山君が話し始めたのです。その日の昼に、たまたま麻理子さんと学食で出会って、一緒にお昼を取ることになったらしいんですが、その時に、麻理子さんは最近私の様子で変わったところはないかと聞いてきたようです。特にないと東山君が答えると、麻理子さんは、それはひどい話だ、東山君がかわいそうだって、言ってきたんだそうです。それから麻理子さんは、私への恨み辛みを語り出したということでした。東山君から聞かされたその内容は、ひどくデフォルメされたものでした」
 奈月はそう言い、ふたたび涙をすすり始めた。
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スリーアローズ

Author:スリーアローズ
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