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キラキラ 288

 その瞬間、またも、危ない、と声が聞こえ、その直後に、何かが音を立てて崩れ落ちる音がした。これまで僕が慎重に、1つずつ積み上げてきたものが、どうやら崩れてしまったらしい。でも僕は、その残骸に拘泥することもなかった。すべてが仕方のないことだった。
 すると奈月は、背を伸ばして僕にキスをしてきた。僕は、彼女の要求に応じながら、ホテルでのキスを思い出した。あの時僕はある種の寂しさを感じた。これまで妹のようだった奈月との関係が壊れてゆくのが寂しかったのだ。もちろん、今もそれは感じる。現に奈月の動きは、ホテルの時よりも扇情的で、エロティックだった。もはや、兄妹の間柄と言えないところに僕たちは立っている。だが、戻ることなどできない。僕にはどうすることもできなかった。
 寂しさと、諦め。僕は物事を細かく考えることが面倒臭くなってしまっていた。もう開き直るしかなかった。それで、すべてを紛らわせるつもりで彼女の舌の上に自分の舌を何度も這わせた。
 僕の勢いに、奈月はいったん唇を離し、「せめて今だけ、主役でいさせてほしい」と吐息のような声を出して懇願した。
「大丈夫だ。奈月はいつでも主役だよ」と僕は応えたが、彼女はうれしい顔ひとつ見せぬまま、再び背伸びをして僕の唇を激しく求めた。
 気がつけば、僕たちは互いの裸を露わにしていた。今野宮にいるということは頭では理解していたつもりだ。だが、それは「言葉」の上の問題であって、本当のところ、僕たちはどこにいるのか分からなかった。いや、どこでもよかった。
 奈月の乳房は、少し汗ばんでいる。彼女の背中に手を回し、ゴムのように固くなった乳首を唇に挟んだ時、彼女は背筋をのけぞらせた。必死に声を押し殺そうとしていたようだが、そのうち彼女の方も開き直ってしまったのか、憚ることなく声を出し始めた。その声は、やはり誰のものか分からなかった。そのうち、声は、境内の森の空気を揺らしはじめた。
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スリーアローズ

Author:スリーアローズ
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とびっきり寂しい旅に・・・

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